やがて時代は移り、敗戦を経て、高度経済成長の時代を迎えると、インスタント食品やファーストフードレストラン、俗に言うジャンクフードが次々と出現し、あっという間に日本は「飽食の時代」を迎えます。思い返すと、私の子ども時代(昭和30年代・40年代)の食は、チクロ(発ガン性のある人工甘味料。日本では昭和43年=1969年以降使用禁止)の入ったジュースをはじめ、家庭で食べる多くの食品に添加物や着色料などがてんこ盛りでしたし、農作物に使用する農薬規制などもそんなに厳しくありませんでした。そう考えると、巷で起こっている食品偽装事件なんて、あの時代では「(偽装を)やらなきゃ儲からないだろ」のひとことで、一刀両断だったのではないでしょうか。高度経済成長時代の悪しき慣習は、まだまだこの社会にいっぱい染み付いています。
そして昭和から平成に移り、いわゆるバブルの時代になると、今度はグルメブームが到来。「美味しんぼ」といったコミック(1983年から小学館「ビッグコミックスピリッツ」にて連載。ただし取材のため長期休載することあり)、「料理の鉄人」(1993年10月~99年9月・フジテレビ系でOA)といったテレビ番組が大人気を集めるのです。
ちなみに私も「美味しんぼ」は連載が始まってしばらくの間は愛読していました。グルメマンガとして語られることが多い作品ですが、実際には日本の食糧事情や食文化に対する鋭い考察・批評などが盛り込まれていて、なかなか読み応えがあります。